ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…


「んー…」

目を閉じたまま頭元に手を伸ばす。

カチッ。


(もう朝なんだ…。)

まだ寝ていたいという欲求を抑え、重たい体を起こす。


「美瑚ー、もう起きる時間よー?」


リビングからお母さんの高い声が響きわたってくる。

「うん。おきてるー」

うとうとしたままベッドから下りてハンガーに掛けてある制服を取り出して、鏡を見ながら着ていく。