あさかの所へ行こうと少し体を動かすと、左肩に鋭く痛みが走った。





「い、痛っ!」





どうやら、肩を脱臼したらしい。
でも、そんな事に構っていられない。身体を引きずってあさかの方へ向かう。


「あさか!しっかりして!」


こういうとき、体を揺すってはいけないんだったと気づいて、あさかを揺すろうとした手を下ろした。

「あさか!あさか!!」

「う……」

うっすらとあさかの目が開く。
「あ、あさか!しっかり!」
あの時、助からないと思った。






「神様が、私の願いを…。」






聞いてくれたのかもしれない。





「なんて、ね。」

近くで事故を見ていた人が救急車を呼んでくれたらしい。すぐに私達は病院に運ばれた。






その後、お母さんが来て、色々大変だった。





スリッパのまま来るわ、病室入ってきて花瓶は倒すわ何だわで。






普段からおっちょこちょいな母だけど





ここまで酷いと呆れるを通り越して、
笑えてきた。





思い切り笑って、疲れて、そのまま寝た。






あさかも翌日には目を覚ますはず。






そうしたら面会も出来る。





そう言われて、安心したのもあったのかもしれない。





私は深く、ゆっくり眠った。