目を開けると、殺風景な部屋の中、老婆が1人佇んでいた。
私を見て驚きの声を上げた後、穏やかに微笑む。

「いってらっしゃい、『ユーリ』。」

ユーリ。私の名前…?
でも、ではこの記憶は、一体…。
私は、『あさか』ではないの?








…眠い。さっきまで散々寝たはずなのになぁ。
ゆっくりと瞼を閉じる。最後まで、老婆は微笑んでいた。

何故か、その微笑みに懐かしさを感じた。