いちばん。

部屋を出ると、空には綺麗な満月があって、それがまた涙を誘う。
涙のせいで月が滲んでぼやけた。


そういえば、最初の隼人からの電話もこんな満月の夜だったな。



久しぶりの隼人の声にドキドキして、携帯を持つ手が震えた。



「沙桜に会いたくなったから?」



なんで疑問系なの?
って思ったけど、隼人の言葉が嬉しくって。
信じられなくって。



だって隼人がそんなこと言うなんて思わないじゃん。



少しだけ目頭が熱くなった。



あの日の隼人の言葉を何度思い返したかしれない。
あの瞬間に戻れたらって何度思ったか知れない。



だけどどんなに願ってももう、戻れはしないんだ。



あの時こうしていたら?
そんなことをいくつも思う。



あたし本当はね?
隼人の一番になりたかったんだよ。