淡いオレンジ色をした光が真っ白なカーテンを染めていた。




夢のなかに出てきた君は微笑んでいた。

私「まただ………」


私「どうして笑ってるの?」


私「なにが………おかしいの?」


??「僕も知りたいことがあるんだ。
君の笑顔はどこ?」


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目が覚め、いつも通りの朝を迎える。
何事もなくただただ毎日が過ぎ去っていく。


周りの子達は勉強に恋愛に部活動に青春を満喫しているが、私にはなにも好きなことがない。

やりたいことも…ない……




今日から私は高校生になる


せめて友達は作ろうとは思うのだが、勇気がない。
最終的に友達はいなくても大丈夫だ。
これまでもそうやって来たのだから。


と言う考えにたどり着き人間関係から逃げてきた。


担任「初めまして!皆さんの担任になりまし た!季勢河 穣(いせかわ みのる)と言います!よろしく!」


私(だるい……)


すでに皆、グループを作り始めていた。
勿論、私は1人だ。
だが気にしない。長い髪の毛で顔を隠し一人で本を読む。


??「もしかして……樹里か?」


私 「えっ?!」



その瞬間から私の退屈な日常が幕を閉じた。


♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥




私の名前は白神 樹里(しらかみ じゅり)。



私の名前を呼ぶのはだいたい先生ぐらいだがその時は違った。


私の名前を呼ぶ生徒の名札を見てみると、

樹里「有川 健(ありかわ たける)………
あっ! もしかして小学校が同じだ
った、たけちゃん?!」


健 「やっと分かったか!(笑)」


そう言ってあの頃と変わらない笑顔を私に見せた。



健は私の初恋の人だ。


小学生の時の私はまだ活発で怪我はしょっちゅうしていたし、積極的で友達もたくさんいた……


でも小学校6年生ぐらいになると私は変わり始めた。


理由は分かりきっていた。自分が好きな人が、いじめを受け始めたからだった。








健「まさか高校が同じだとは思わなかった
よ!!仲良くしようぜ!」

樹里「うん…」


健「どうした?元気ないぞ!
大丈夫か?」

樹里「ありがとう、大丈夫だよ」


健「良かった…」


樹里(あー……この感じいつ振りだろう……
忘れていたこの感覚…なんか嬉しいな)


健に会えた驚きでよく見えなかったが、よくよく健を改めて見てみると、面影は残っているもののやはり身長が180ぐらいはあり小学生の頃とは随分変わっていた。




黒いコンクリートの上に白の花びらが散らばり、まさしく春と言う光景を作り出していた