-----出会いは1年前の春。






友達も出来て
勉強の方もまぁそこそこ。

運動はかなり得意で
新しく入った部活でも新入生トップ。



自分で言うのも何やけど
正直モテる方やとも思ってるし

その時すでに彼女もいた。





毎日充実してた。






「いいよなぁ、イケメンで可愛い彼女持ちでフレンドリーとか
非の打ち所ないじゃんかよ。」






友達からこう言われたこともある。

何やねん照れ臭いわ!
なんて言いながら
その日は昼休みに購買に向かってた。






「…お、小林やん。
学校で会うの初めてちゃう?」

「あぁ秦山!久々だね。
今から購買?」

「おぉ、せやで。
…あぁなんや友達も一緒かいな。
大きいビニール袋…随分買い込んだな。」







購買に着く直前

入学してからクラスも遠くなって
久々に会った小林と話した。


そしたらあっちも連れがいて

身長差的にしゃーないけど
軽くその友達を見下ろした。





(…へぇ、小林と全然ちゃうタイプそうやな。)






最初の印象は
"大人しそう"やった。


小林があんなんやから
余計にそう思ったのもある。

可愛らしいお嬢様〜って感じの子やと思ってた。





そして小林たちと別れて
俺たちは購買へ向かう。







「え、メロンパン無いやん。
…あれ、チョココロネも無いやん。

……つかパン何も無いやん!!」





そう。

俺がついた時には菓子パンが全て売り切れていてたんや。




(売り切れって…昼休み始まってまだ5分やで?)




何でそんなすぐなくなんねん。


俺はそう思って購買のおばちゃんに尋ねる。

今日何でこんな売り切れ早いん?て。

そしたら






「さっき女の子2人が全部買って行っちゃったのよ。」





大きな袋下げてる子と会わなかった?


その言葉にすぐにピンときた。





(え、あんな大人しそうなお嬢様が
菓子パン全部買い占めてたんかい。)




嘘やん、と思いながら
さっきあの子とあった場所を遠目に見つめる。





-----これが俺とユカリの最初の出会い。