そんなの…
「ダメだよ。」
「え?」
「そんなのダメだよ!
何で行かせちゃったの?!」
私は平然としているハタに向かって怒った。
「何でって…親友の恋に協力すんのは当然やろ?」
「でも、でもハタはそれでいいの?!」
「良いも何も…俺には関係あらへん。」
そう言ってハタはベッドから立ち上がって
自分の荷物から
ペットボトルを取り出して
ゴクゴクと飲む。
どうしてそんなに平然としてられるの…?
好きな人が友達に取られるかもしれないんだよ?
ハタ心配してたじゃん!
なのにどうして…!
「ハタは…
さっちゃんを好きなんじゃないの?!」
私は少し強い声で言った。
私がハタにそう言うと
ハタはペットボトルを飲みながら
目を見開いて
すぐに口を離してこちらを見る。
「っ…ユカリ、お前……」
そう言ってハタは少し黙って
静かにペットボトルの蓋を閉めて
ボトッとベッドの近くの机に置く。
私はベッドに座ったまま
ハタを見る。
ハタは考えるように険しい顔をして
少し下を向く。
両手をぎゅっと拳を作って
その場に立っていた。
そしてすぐに顔を上げて
私を見る。
(---------っ!)
その顔は
険しい顔のままだったけど
今までに見たこともないくらい
目つきが鋭かった。
まるで私を
睨んでいるみたいに---。
「…ハ、タ…?」
私が名前を読んでも返事をせず
代わりにこちらにゆっくり近づいてくるハタ。
-------ドクッ…
私の中の何かが
嫌な音を立てて鳴った。
ジリ、ジリ…
段々と近づいてくるハタが
気づけば目の前までやってきていて。
私はそれを見上げ
ハタは私を見下ろしていた。
「…ホンマに、気づかんのか?」
「------え?」
ハタが眉間にしわを寄せたまま
だけどどこか
寂しそうな苦しい目で
私を見下ろしていた。
-------ドクッ…
まただ
また、嫌な音がする。
「気づいてないって、何を…。」
「------っ。」
私がそう言うのと同時に
グイッ!
と両腕を掴まれ
「え、ちょっ…?!」
----------ドサッ
と
そのまま私はベッドに押し倒されてしまった。
私の目の前には
私に馬乗りになって
腕を押さえつける
苦しそうな表情をした---ハタがいた。

