あれ?まだゴミでもついてるのかな?
と不思議に思っていれば






「…あの…ここじゃ目立ちますよ。」







というハタのその言葉で私はハッとした。

周りを見れば
歩く速度を落としながらこちらを見ている女子高生がたくさん。

男子高生でさえ何人か混じっている。





(そうか、ハタは私たちの後ろの人たちの様子を見て反応してたんだ。)






納得しながら、改めて圭斗の存在は芸能人のようだとも感じる。








「俺このままバイト行くけど、ユカリ達は今日どっか行ったりは?」

「あ…しないよ。このまま帰る。」

「あぁそう。じゃあ気をつけて帰れよ?
お2人さんも、気をつけてね。」






圭斗は校門まで一緒に歩いてから
私とハタとさっちゃんを見てそう言う。


…あれ?圭斗は駅まで一緒に行かないのかな?




そう思いながら圭斗と別れるも
方向的にバスでも電車でも駅がある方向とは逆の方面に歩き出したので

私は驚いた。








「へぇ、濱崎さんってここらへんでバイトしてるんだ?」

「私も今知った…。」

「えぇ?!そうなの?!」







さっちゃんが声をあげる。

私もそれで驚いていたのだ。






「ユカリのこと心配しとるからとちゃう?
…ええ彼氏やんけ。」






ハタがそう言いながら歩く。

さっちゃんも
そうだねー!良かったじゃん!と
私の背中をバシバシ叩く。






「にしても濱崎さんすっごいかっこいいね!!目の保養!!間近で見ると本当イケメン!」





女子高生らしくキャッキャッはしゃぐさっちゃん。

あはは〜…と軽く流しながら
ハタを見れば
何やら珍しく無表情で考えている様子だった。






(……?)







駅に着き電車に乗ってからは
ハタは普通で。

私の最寄りに着き、2人に振り返って
バイバイ!と手を振る。







「気をつけてな〜。」

「濱崎さんによろしく〜!」

「はいはーい。じゃあねー!」





そうしていつも通り、2人と離れて家に向かう。





















「…秦山、眉間にしわ寄せすぎじゃない?」

「え?…あぁ、まぁな。」





電車に残った2人が、そんな会話を始める。





「何、そんな難しいこと考えてるの?」

「…気付かんかった?
俺、濱崎さんに要注意人物思われてんねん。」

「え、そうなの?
…何で?」




紗香が驚きながら祥一に尋ねる。

祥一は少し黙ってから
小さく口を開いた。





「俺がユカリと仲良いのが気に食わんとちゃうか。…それにあの人は」






-----俺の気持ちに気付いとる。




そう言って祥一はまた少し眉間にしわを寄せた。