ん、んん…?!




気づいたら私は横に倒されていて

目の前には私を見下ろす圭斗。
馬乗りになって私を見ている。





(ちょ、ちょちょちょ…?!)






この状況に大混乱な私。

何がどうしてこんなことが?







「け、圭斗…?!何して…?!」

「-------ユカリ。」






シンッ…と圭斗の声が頭に響く。

通る綺麗な低い声で
真剣な様子で私の名前を呼んだ。




私を見下ろす目には-----怒り…?








「-----今、誰のこと考えてた?」







静かだけど力強く
本気を込めたその言葉に
私は?を浮かべる。


一体何のことを言っているのか。







「何も考えてないよ…?どうしたの?」

「とぼけんな。誰のこと考えてニヤついてたんだよ。」





…俺、じゃないだろ?




と言う圭斗。

私はその言葉でやっと理解した。
彼が誰のことを聞いているのかと。




(…ハタのことだ…。)





私がそれに気づくと
その様子の私に気づいた圭斗が

より一層機嫌を悪くした。







「ほら…やっぱりな。」






圭斗はそう言って
私を睨むように目を少し細める。



その姿が少し怖くて
体がゾワッとした。




でも私がハタのことで喜んでたのは
ちゃんと理由があるのに。

それをちゃんと圭斗に説明しなきゃ---







「け、圭斗。それは誤解---」




そう言って私が圭斗の腕を手で掴むと
圭斗がその私の手を逆に掴み返した。




「何がだよ…。
…俺以外の男のこと考えてたのは本当だろうが…!」





そう言って圭斗は私の手を床に縫い付けるように
自分の手で押さえつけた。



私は身動きが取れない状況に置かれた。







「でもね、違うの…!
これにはちゃんとした理由が…!」

「聞きたくない。
…今は、もう止められない。」






-------ビクッ!





そう圭斗が言った瞬間
圭斗の顔が素早く私の首筋に埋まって


甘く痺れる痛みが
即座に走った-------。