-------ガチャッ





「ただいま。」






家に着くとすでにローファーが脱がれていて
ユカリが帰って来ているのを察する。



俺が帰った声を聞いて
パタパタと玄関まで走る音が聞こえた。






「濱崎さんおかえりなさい!」

「………。」





俺はその言葉に
フッと小さく笑いながら、黙ってユカリに近づく。


ユカリは あれ?という顔をしながら俺を見上げる。






「-----…呼び方、違うでしょ?」






そう言ってユカリの顎に指をかけて
軽く上に上げる。

この行動にユカリはビクッとして
恥ずかしそうに顔を赤らめる。



そして小さく






「……圭斗…。」






と照れながら呟いた。




-------ドクッ…





(っ……。)





自分で言わせておきながら
半分喜び、半分後悔。



…そんな顔で言うなっつの。




そう思いながらユカリの頭を撫でて
リビングへ向かう。


ユカリは照れながらも一緒にリビングに来た。






「…圭斗って呼ぶの慣れません。」

「そりゃそうだろ。
…じゃあ慣れるために敬語も禁止。」





呼び捨てなのに敬語っていうのも変だし。


俺がそう言えば
ユカリは首を左右に振りながら
無理です無理です!と言う。






「無理じゃない。できる。
…これから敬語使うごとに言うこと聞いてもらうから。」

「え?!そんなのずる---!」

「ずるくない。
じゃあ頑張れ、ユカリ。」





そう言って含み笑いをすれば
ユカリは有無を言えずに小さく、分かった…と言う。




(可愛いから…もっといじめたくなるんだよな。)





このまま押し倒したい気持ちを抑えながら
俺は気持ちを抑えるために立ち上がって
冷蔵庫のところへ行って飲み物を飲む。





--------ん?





あれ、待てよ
このお茶なんか変…




(………あ。)





”軽い一杯に!ウーロンハイ♪”





これ

前にコウキにばったり会った時にもらった------






酒…じゃね。