(……変だなぁ。)




6時間目の最中

私は前の席のハタを見ながら
そんなことを思う。


何でそんなことを思うかというと
珍しく今日は話しかけてこないから。



いつもは1時間終わるごとに話し掛けてきてずっと話をするのに
今日はそれが一切なかった。

朝っきり会話はなし。

お昼も絡んで来ないで
さっちゃんも珍しい、と言っていた。




(調子でも悪いのかな…?)





でも今日は普通に体育の授業にも出てたし
男子と話ながら普通に笑ってたし
調子は特に悪そうじゃない。


…昨日のことで親に怒られたとか?

それとも私何かしたのかな?





(ん〜、考えてもわからないよ…。)





心当たりがなくて
私は頭を悩ませる。

気分的なものなら全然いいんだけど…




(…にしても日本史の授業って何でこんなに眠くなるんだろう…。)





私は考え事をしながらも
先生の話が眠り歌のように頭を巡って

気づいた時には瞼が閉じていて

眠りに落ちていた。











「………。」




そんなユカリを
後ろを振り向いたハタが見つめる。


何か考え事をしている様子で
ユカリを見ながらため息を吐く。





「…ん、おい秦山、前向けよー。
坂田…はもう寝てんのか。」

「…うぃーっす。すんません。」




そう言ってハタは少しして
ユカリから視線を外し、前を向く。