-------え?
それは裏返しに
ハタはそう思ってないと言われてるようだった。
……友達のフリして、下心があるって?
「…そ、れは…思ってると思います…。
2人で親友だって話してたし…。」
「へぇ…でも相手はもしかしたら
ユカリのこと好きなのかもよ?」
…え?
私は思ってもなかった言葉に目を丸くした。
「それはないですよ。ハタには好きな人がいますもん。私に相談もしますし。」
「じゃあ、その好きな人はユカリじゃなかったの?」
「っ……それは…。」
はっきり言われたわけじゃないけど
行動を見ていればわかる。
ハタはさっちゃんが好きなのは明らかだもん。
「ハタはわかりやすいから
教えてもらわなくてもすぐわかります。」
「へぇ、教えてもらってないんだ。」
濱崎さんはそう言うと冷たい目で私を見下ろした。
濱崎さんは明らかに昨日よりも怒っていた。
今までにこんな濱崎さんと言い合うようなことになったことはない。
…何で?どうしてこんなこと言うの?
ハタは大事な友達で親友で
それ以上に何もないし
お互い相談もして信頼し合ってる。
今日送ってくれたのだって
ハタが私を心配して厚意でやってくれただけで…。
それを濱崎さんに
私たちの間には友情関係なんてない
って突き放した言い方をされた気がした。
「---じゃあ、ユカリがその子のこと好きとかは?」
「っ……?!」
そしてついに
濱崎さんから聞かれたくないことを言われた。
(…私が、ハタを…?)
そんなはずがない。
私が好きなのは濱崎さんなんだもん。
なのにどうして
そんなこと聞くの…。
昨日出かけた時みたいに
お化粧してお洒落したのは
全部濱崎さんだからなのに…。
「……好きじゃないです。」
「間があるけど?」
「…私はハタのこと好きじゃないです。」
私がそう答えても
濱崎さんは怪しそうに目を細めながら私を見ていた。
「…何で、そんなこと言うんですか…。」
私は顔を俯かせて、静かにそう言った。
-----すでに涙が出そうだった。
どうしてこんなことになってるのか
混乱の涙と
濱崎さんからの言葉の悲しい涙。
濱崎さんは私に静かに返事を返した。
「…それは、ユカリがあまりにも無防備だからだよ。」
「…無防備…?」
私は濱崎さんの言葉を聞き返した。
「彼氏でもない男に送ってもらうなんて
勘違いされても仕方ないんだよ。
俺のこと好きなんじゃないかって。」
「え…でもそんな…。」
「男はそういうものなの。
俺が守ってやりたいって好きな子には思うものなの。」
濱崎さんは先ほどのように
尖った鋭い口調から変わって
落ち着いて冷静にそう言った。
「-----それに」
濱崎さんは続けて私に言った。