----------?!?!




私はこの出来事に
軽いパニック状態だった。




(え、今、私…)




濱崎さんに…抱きしめられて…?!



と認識すれば
それはもう身体中に羞恥が走って熱くなる。

ど、どどどどうしてこんなことに…?!

なんて混乱していると
濱崎さんが言葉を発する。





「…全部ユカリのせいだから。」

「……え…?」






私は濱崎さんのその言葉に
声を出した。

全部ユカリがいけないんだからなー。
とさらに付け足される。


私のせい、って…




(やっぱり私が何か……。)




と心が不安にかられる。

が、しかし







「……ユカリは俺だけ見てればいいんだよ。」






(---------っ!!)




ドキンッ



この言葉に
私の胸は確かに大きく鳴った。


"俺だけ見てればいい"


確かにそう言った濱崎さん。

そしてそれと同時に
抱きしめられる力が強くなった。




(-----ど、どうしよう。)





怒られてるはずなのに
すごい嬉しい…。

こんな言葉を言われるなんて思ってなかった。

例え酔ってるとはいえ
この言葉は私には嬉しすぎるよ…。




(私は濱崎さんしか見てませんよ…。)





言葉には出せなくても
心で伝わってくれたらいいのに…なんて
儚い願いも込めて
私はそんなことを考える。





「…ごめんなさい、濱崎さん…。」

「ん…本当にわかってんのかー?」





私が謝ると
濱崎さんがそう言って体を少し離して
顔を覗き込む。


お酒が十分に回って
さらにトロンとした目が
紅潮した頬が
全部色っぽくて…目が離せなかった。





「わ、わかってます…。」





本当は分かっていないけど
これ以上は心臓がもたないと感じて
そう答える。

濱崎さんは私を見て少ししてから





「…ん、なら良し。」





と言って私から離れ
またソファに座った。

私は深呼吸をして心を落ち着かせて
静かに部屋に戻った。





(……な、何なのあの濱崎さん…!)




お酒飲んだ濱崎さんは初めて見たけど
か、可愛い!

可愛すぎて心臓がうるさかったし

何か…その…
言動がいつもと違いすぎて頭が追いつかない。


いつもの濱崎さんなら、絶対しない。言わない。






(や、やばいよ死んじゃう…!)





さっき濱崎さんから言われた言葉が
何度深呼吸しても永遠に繰り返されて。

私はその夜すぐに寝ることができなかった。