嫉妬深い狼と同棲生活?!





…なんて決意したけど






------ガチャ




「た、ただいま〜…。」





そろ〜り、と家に帰宅。

もうこの時点でチキンな私をお許しください親友様。

現在午後5時。

まぁこの時間に濱崎さんが帰ってくるのはバイトが休みでない限りほとんどない。





電気が点いてないのを見る限り
多分今日はバイトがある日。





ホッとして、ゆっくりリビングへ足を進める。

もちろんリビングも電気なしで真っ暗。

うん、こりゃいないわ。
良かった。





そう思って自分の部屋へ荷物を置いて
部屋着に着替える。




(どうしようかな〜…どうやって映画に誘おう。)




着替え終わって部屋の中を歩き回りながらそんなことを考える。




"今度映画行きませんか?チケットもらったんです!"


…うーん、これじゃ嫌でも断りにくいかな?



"濱崎さん今月お休みの日とかあります?"



うーん…何か良くない気がする。








「…濱崎さん、見たがってた映画のチケットもらったんですけど
バイトとかで忙しいですかね…?」




(…うーん、これもイマイチっていうか長いかな…?)


いやでも、さっき考えてたのよりは丁寧でいいのかな…。




「いや、空いてるよ。」



ほら、何かいい答えが聞こえそ……


え?
…空いてるよ?




(---------。)





「ちょうど明日と明後日やす「わぁぁああああぁあ?!?!」







真後ろから声が聞こえてきて
私は思わず絶叫してしまった。

後ろを振り向けば、濱崎さん。



耳に手を当てて真顔で立っていた。



え、何で?!
何でいるの?!いつ帰ってきたの?!




と大混乱の私。

玄関のドアが開く音も聞こえなかったし

ましてや自分の部屋が開く音すら聞こえなかった。

え、もしかしてそのくらい周り見えなくなってたのかな…。





そして一瞬働いた冷静な脳が
"話を聞かれていた"と理解すれば

それはもう顔から火が出そうな勢いで恥ずかしさに埋もれる。






「は、濱崎さ…何でいるの?!」

「え、何でって…あぁ、電気消してリビングで寝てたから気づかなかったんじゃね?」





あの真っ暗なリビングで寝ていたという濱崎さん。

そして私が帰ってきた音で目が覚めて
部屋からブツブツ言ってるのが聞こえて来たんだとか。




(ど、どうしようすごく恥ずかしい…!!)




そう思い自分の熱い顔を両手で押さえ
濱崎さんに背を向けてしゃがみ込む。

上からクスクス笑う声が聞こえてきて、なおさら。





(うぅ…絶対引かれた最悪…!!)





と自己嫌悪に陥っていると
頭上から




「…で、いつ行く?」

「…え?」




と声が降ってきた。

振り返って聞き返してみれば
濱崎さんは笑顔で




「映画。」





と私に言ってきた。

私は恥ずかしいのと嬉しいのとが混ざり合いながら
一呼吸置いて





「…あ、明日…がいいです。」





と答えれば
また濱崎さんが優しく笑った。