「電話、アリサさんからだよ。」

「……え?」

「"子犬"を友達から譲ってもらったみたいで、今度連れてこっち遊びに来たいって。」









(………え…。)









俺はそれを聞いて思わず固まり、

そして同時に 羞恥で顔が赤くなる。





…っ、はぁ?!子犬?!









「っ…その子犬の話で…好きとか言ってたわけ?」

「そうだよ。
アリサさんが『犬好き?』とか『アレルギーない?』って聞いてきたから…。」








だから好きって答えたの。






そう告げてくるユカリに

俺はその場にヘナヘナと座り込んで、
思わず顔を手で覆った。






っ…は?何?ってことは…









(俺の、早とちり……っ?)









「……もう無理……恥ずかしい…。」

「ふふっ、圭斗可愛い。
変な勘違いしちゃって。」

「っ…うるさい…!」








俺はからかって笑ってくるユカリに少しだけ腹が立って

そのままあいつの腕を掴んで
下にグッ---と引っ張った。









「っ、わぁ…!!」









───ドサッ、と




俺はそのまま倒れこんできたユカリを
床に押し倒して


その上に覆い被さり、見下ろす。







ったく…変に心配かけやがって…!









「っ…圭、斗…?」

「変に心配かけたお仕置き。
…今夜は寝れないと思えよ?」









俺がそう言って意地悪く笑うと

ユカリは途端に顔を赤くして
小さく息を飲んだ。









─────子犬でも何でも









(俺以外に好きって言うの…禁止。)









そうして俺は


そのままユカリに キスをした───。