「…で。」




それで首からそんなネックレス下げてるってこと?


とさっちゃんが私に言う。


私は幸せで緩んだ頬をそのままに
えへへ…とだらしなく笑った。





「結婚って早ない?!
俺らまだ高2やで?!」





ハタが信じられないと驚きながら
はぁ?!と身を乗り出す。






「でも両親に会ったことは?ないんじゃないの?」

「あぁ…私たちが付き合ってからはないかな。」





でも知り合いだから
その前はあるよ、と言えば

知ったら親目飛び出すんじゃないの
とさっちゃんが笑う。





まぁ確かにお母さんとお父さんびっくりするだろうなぁ…。





(お母さんは圭斗のこと気に入ってるだろうけど…。)





かっこいいかっこいい騒いでたし。



それに私を預けるって決めたくらいだから
信頼あるんだろうなぁと思う。







「濱崎さん嫉妬深いから
結婚なんてしたら大変ちゃう?」






大学でも就職先でも
接待とか絶対許されなさそうやん

とハタ。





まぁ…言われてみれば。




(でも…嫉妬してくれるの結構嬉しいし…)




それほど好きでいてくれてるんだなぁって思ったら
全然負担とかないんだよね。)






「…はぁ、とか言っても
気持ち動じないんやろうけどな。」





とハタは机に肘をついて
顎を手の上に乗せる。






「よくお分かりで。」

「まぁ…親友やからな。」





と自嘲気味に笑うハタ。

そんなハタの肩に腕を回しながら





「ったく、そんな顔して拗ねるのやめなさいよ秦山!
あんたは絶対結婚できるんだから!」




とさっちゃん。

はぁ?何でやねん!とハタが言えば
さっちゃんが




「もし誰も相手がいなかったら
私がもらってあげるから。」

「……はっ?!」





と言うので
ハタが少し固まって
は?!と目を見開いてさっちゃんを見る。


そして思ってもなかった言葉に
不意をつかれたハタが
顔を赤くする。




「あ、秦山照れてる。」

「なっ…!お前がそんなこと言うからやろ!」




私もさっちゃんの大胆な発言に
びっくりして目をパチパチさせた。

それって
ある意味 好きって言ってるようなものじゃ…。






なんて話している間に
昼休みが終わるチャイムが鳴る。