くれぐれも変なことを吹き込まないように

という圭斗との約束で
アリサさんの願いが通ることになった。





「次変な悪戯でもしてみろ。
…分かってるな?」

「きゃー怖い怖い!
分かってるってば!おやすみー!」





寝る前に部屋の前でそう言って別れ
私達は部屋に入った。





「本当に今日のことはごめんねー?
圭ちゃんが困るとしたらユカちゃんのことしか無かったからさー。」

「はは…もう大丈夫ですよ。」

「本当ごめんねー!」




そう言って謝ると

アリサさんは長い髪の毛を両手でぱさっと後ろへやると

ベッドへ ぱふっと寝っころがる。

パタパタとベッドを手で叩くので
私はそれに従ってベッドへ寝転がる。





「昨日圭ちゃんの家に初めて来たの。」

「え、そうなんですか?」

「そう。あ、でも圭ちゃんの引越しの手伝いなら1回来たけどね?
だから圭ちゃんに会ったのも2年ぶり。」





圭ちゃん大学入学するからって1人暮らし始めて
私はその時実家暮らしで、
それから私も地方の大学に通うからって
地方行っちゃったから。


と言うアリサさん。






「それで久々に会ったら
帰れとか実家行けとか言われちゃって。
ムカついて押しかけてきちゃったの。」

「押しかけたって…。」




私は苦笑いしながら
その話を聞いていた。





「そしたら彼女と同棲してるとか言うからビックリしちゃって!
しかも私より年下だし!」

「あ、あはは…。」




まぁ確かに

妹の自分より年下の子が
自分のお兄さんと付き合ってたら
そりゃ驚くよね…。






「それに圭ちゃんって
昔からずっと連れてくる女の子
みーんな遊びだったから…」

「………。」

「でもね、ユカちゃんは違うよ。」

「…え?」





この話に少し俯いていると
アリサさんが
心配いらないって顔をして
笑顔で私に告げる。





「昨日圭ちゃんと話してた時にね
『ユカリは俺の初恋同然だから。』
って照れながら言ってたから!」




私も圭ちゃんから彼女の話聞いてて
こんなこと言ってる圭ちゃん初めてだもん

とニコニコ告げるアリサさん。




-------ドキッ





(圭斗が…そんなこと…。)





初恋同然って…今までどんな恋愛してきたんだか…。



なんて考えながらも
正直 とっても嬉しい。

私も初恋だから…。