…で、話をまとめると






「アリサは俺の妹で、
地方の大学に行きながら彼氏と同棲してたんだけど、
大喧嘩して家出したから
しょうがなく俺のところにやってきたってわけ。」




圭斗がアリサさんの頭に手をおいて
ゴリゴリとアリサさんの頭を指で強く押していた。




「いたたたたぁあああい!!
ごめんってば!!ねぇごめんなさい!!」

「あぁ?人が彼女と別れそうになったのに
こんなんで終わるわけねぇだろ?」





教育のなってない妹への責任は
兄としての勤めだ

なんて言いながらゴリゴリと続ける圭斗。



私は赤くなった目をゴシゴシ擦りながら
コップに入ったお茶を飲む。






「っ…だ、だって圭ちゃんの彼女高校生とか言うからぁ!!」




あたしだってビックリしたんだかんね?!

と もがきながら反論するアリサさん。






「だからって何でこんな悪戯してんだお前は…!!」

「だって久々の再会なのに
圭ちゃんってばユカちゃんのことばっか気にしてるんだもん!」

「なっ…!お前それは…!!」

「何聞いても惚気るし、
私が話しかけてんのにユカちゃんの心配ばっか!」




だからちょっと圭ちゃんに意地悪したのー!



なんて
駄々をこねる子供のように頬を膨らませて
プンプン怒っているアリサさんに


圭斗は恥ずかしそうに
顔を赤くしながら
頭を掴んでいない片方の手で顔を隠す。




(そういう…ことだったんだ…。)




私は事実に胸をホッと撫で下ろしながら一息つく。




…本当に、良かった。

あれが嘘で、良かった…。




そう思っていると

アリサさんが身を乗り出しながら
圭斗に言い放つ。






「じゃあ圭ちゃん、ユカちゃん帰ってきたことだし
私今日はユカちゃんと寝るね!」

「…はぁ?」

「2人で恋バナするの!
私妹いないからこういうのしてみたかったんだ〜。
ね?ユカちゃんダメ?」





突然の提案に私はびっくりして
思わずその押しの強さで

は、はい。

と返事を出した。



それを見て圭斗が
はぁ……と大きくため息を吐いた。