出てきた女性は
髪が長くて金髪で
綺麗にメイクをした長身の
モデルのように美人な人。
まさに…圭斗と釣り合うような人。
---------バク、バク、バク…!!
心臓が
嫌な音で早く鳴る。
「アリサ出て来たのか。
…じゃあ丁度良いし自己紹介でもしてて。俺そこで飲みもん買ってくるから。」
-----アリサ。
(呼び捨て…なんだ…。)
その事実にも
ズキッと心が痛む。
やっぱり
私はもう圭斗とはいられないんだ。
私はそう悟った。
飲み物を買いに歩いていく圭斗の後ろ姿をジッと見つめる。
(………。)
私が黙っていると
目の前まで歩いてきた"アリサ"とは呼ばれる女性が
私に向かって口を開く。
「どうも、アリサです。
…ユカリさん、よね?」
「あ…はい。」
話は聞いてます、と言いながら
ニヤッと口元を歪ませるアリサさん。
まるで私が
勝者なのよ とでも言うように。
「あの、圭斗…濱崎さんとはどういう関係なんですか?」
「…ふぅん、聞いてないんだ?」
あの人も酷いよねぇ、なんて言いながら
私に向かって告げる。
「私、あの人の元カノなの。」
「---------!!」
…元、カノ…?
「ヨリを戻したくて彼のところに行って
…彼の家に泊めてもらっちゃった。」
意味、わかるでしょ?
と笑顔で私に言ってくるアリサさん。
(……そういう、ことなんだ…。)
じゃあ
私が最初に会った時から
ずっと彼女がいなかったのは
アリサさんをずっと
忘れられなかったから-----?
私に好きって言ったのは
嘘だったの-----?
私が何も言えずに立ち竦んでいると
丁度そこに圭斗が帰ってきて。
「ほらお前ら早く乗れ。
…疲れてるところ悪いけど、家で詳しく話すから、ユカリ。」
「………うん。」
本当はもう
聞きたくないのに。
もう…十分だよ。
十分…傷ついた。