-----で、結局。




どっちにしろ実家までの終電も終わっているし

夜も遅いので渋々泊まらせることに。






「お邪魔しまーす!」

「ったく…今日だけだからな。」

「ダメ!彼女に会うまで居続ける!」

「はぁ?!だからダメだっつってんだろうが!」






…はぁ。


こいつに何を言っても無駄だということは知っているけど

ユカリと対面させたとき
絶対ユカリのことだからビビんだろうなぁ。





「…何?
そんな見つめられると照れるんだけど?」

「……はぁ。」






ロングの金髪をクルクル巻いて
ブラウンのコートに網タイツ
黒いロングブーツに

黒いアイライン
長ーいエクステ付きまつげ



…完璧にギャル。







「俺が知ってるお前はこんなんじゃなかったのに…。」

「そんなこと言って本当は可愛いとか思ってるんじゃないの〜?
チューしてあげよっか?」

「あーうるせ黙れ。」





調子に乗ってきたアリサを
俺は軽くあしらって

しっしっと手でリビングに追いやる。



今日はこいつをリビングのソファで寝かせよう。






「お前早く風呂入ってソファで寝ろ。」

「えー?!ソファで寝るの?!
やだやだ!!ベッドで寝る!」

「ベッドなんてねぇ。」

「いいじゃん、彼女の部屋使わせてよ!
明日まで帰ってこないんでしょ?」

「ダメだ、ユカリの部屋は勝手に入ん---」






-----あ。




口を滑らしたと思い
アリサを見れば…





「…へぇ?ユカリって名前なんだ、彼女?」

「-------。」






そう言ってニヤニヤするアリサ。

くそ、教えるつもりなかったのに…。




(あーーーーっ!!
本当に今日は何なんだよ!)




俺はイライラしながら
パパッと風呂に入って

自分の部屋に戻ってベッドをきちんと整える。




仕方ねぇから俺の部屋で寝かせるか…。



そう考えながらため息を吐く。

何でこんな疲れなきゃいけねぇんだよ。






「---アリサ、俺の部屋で寝ろよ。
俺はソファで寝るから。
そしてくれぐれも向かいの部屋に入るな。」






俺がそう言うと
ユカリは はーい と軽く返事をして風呂に入って行った。






…これ以上何もありませんように。