振り返って見れば
そこには見知った顔。



アリサだった。






「おまっ…、何でここにいんだよ!」

「何よその言い方〜。
久しぶりに会ったのに、もっと優しい言葉かけられないわけ?」





アリサに会ったのは2年ぶり。


最近…というか今日の今日まで
北海道にいたはず。

何で東京に来てんだよ。







「うるせぇな。
…何でこんなとこいんだよ。家は?」

「家出してきた。」

「…は?!」






家出してきたってお前…。

それで俺のこと当てにして来たってことかよ。






「だから…ね?泊めて?」

「ダメだ。」

「え、何でよー?!」

「とにかく無理。
お前寝かせる場所もねぇし。」




前は空いてたけど

今はユカリが部屋を使ってるからな。
もう寝る部屋はない。




「前は一つ部屋あったじゃん。」

「今は使ってるからない。」

「え、使ってるって…
圭ちゃん彼女できたの?」





俺の腕を引っ張りながら
ねだっていたアリサの動きが

ピタッと止まる。






「…まぁな。」






俺がそう言うとアリサはしばらく固まって俺の顔を見ていた。

目を見開いてポカンと口を開けている。






「…そう。
じゃあ決めた。余計に圭ちゃん家に泊まる決心ついた。」

「…はぁ?!何でだよ!
実家行けよ実家!」

「やだ!!
私がその彼女見定めてあげる!!」





アリサは納得いかない、とでも言うように
俺の部屋に強引に泊まることを
勝手に決定した。





待て待て待て…

何でこうなんだよ!