そんなハタにも好きなは人は当然いるわけで。

私もちゃんとハタの恋愛相談にも乗るわけです。






「ハタは?何か進展あった?」

「それが、なーーーんも!!
相変わらずやなぁ。アプローチしてるつもりやねんけど。」





と、まぁこちらも私と同様らしく。


ハタも私と同じ頃に好きな人ができたみたいで。
まぁ同じ頃って言っても学年上がった新学期っていうありがちなパターンだけど。





「ハタこんなにイケメンなのに
何であっちからいい反応無いんだろうね?」

「ホンマやわ〜こんなイケメンなのに
惚れないなんて頭おかしいわぁ〜。」

「ハタ、それは言い過ぎ。」






と冗談交じりにも前向きなハタ。

なかなか進展しないらしいけど
それでもめげずに頑張り続けてるハタは本当にすごいと思う。

一途だよなぁ。

私もハタを見習って頑張ろう、っていつも思う。






「何々〜?今日も2人で恋バナしてるの〜?」

「あ、さっちゃん。おはよー!」

「小林おっはー。」





続いてやってきたのが
私の大親友の小林紗香(こばやし さやか)、通称さっちゃん。

成績優秀で超美人!なんだけど…






「秦山、あんたまた私の問題集勝手に借りパクしたでしょ!」

「げっ!すまん返すの忘れとって…。
ちゃんと言おうと思ってたんやで…?」

「あぁ?!あんたそんなこと言ってもう1ヶ月も却って来てないんだけど?!」





----------そう、ヤンキー気味…なんです。


女の子には優しいんだけど
男子には少々厳しくて…。

ハタとは中学が同じでそれから仲良しなんだけど…
どうも仲が良すぎてハタがさっちゃんに借り物をたくさん…。






「す、すまん!!明日!!明日絶対持ってくる!!」

「…明日逃したら、分かってるわよね?」





思わず私がひぃ!と言ってしまいたくなるくらい黒いオーラをハタに向けるさっちゃん。

まぁこういうワケありで…さっちゃんは高嶺の花…というかトゲが多すぎる薔薇扱いというか…。

彼氏がいない、私たちと同じお相手なしの仲間です。




(ハタ…絶対さっちゃんのこと好きだよなぁ。)





ハタの好きな人が誰かまでは教えてもらってないけど
多分見ている限りさっちゃんだと思っている。


だってさっちゃん今年に入ってすごい魅力的になったというか…
大人っぽさが増して一緒にいる私でさえ眩しいくらい…。






「わ、分かったから!な?!座って一緒に喋ろうや!なぁユカリ?!」

「え、あ、うん!さっちゃん落ち着いて!」






ハタがさっちゃんを止めて
椅子に座らせてお決まりの3人で話すことに。


さっちゃんは現在好きな人いません。


私たちの相談に乗っているだけ。







「ユカリ、進展ないの?」

「ないよ〜…。いつも通り仲良し兄妹です。」

「ふふ…そんなユカリに朗報です!」





と言って椅子から立ち上がるさっちゃん。

何や何や!とハタが興味津々にさっちゃんを見る。

さっちゃんはカバンのポケットからある紙を取り出して、私に渡してきた。





(…え、これって…!)






「え、映画のチケット?!」