今日はユカリの修学旅行の3日目。



俺は珍しく朝から大学に行って

そっからバイト の流れ。




大して俺の生活は変わってない


…が







(………。)






多分変わったのは
ユカリの生活の方。


一昨日電話をかけたら
泣いていたことが気にかかって仕方が無い。


本人は至って話す気はないらしく

いくら待っても話すことはなかった。






(-------クソッ。)







俺に人の心を察する能力があれば
また悩む必要もお互いないんだが。






「…うわ、圭斗くんすげぇ怖い顔してるよ?大丈夫?」

「あ?…あぁいや、何でもない。」






バイトに出てもこんな感じ。

昨日も思えば店長から同じこと言われたような…。




(……はぁ。)





昨日は電話してないし

もしユカリが昨日もっと苦しんでいたら
なんて考えたりもする。




…あー、こんなことなら昨日も電話しとけば良かった。くそっ。






(今日絶対悪い日だわ。
憂鬱すぎて仕事する気にもなんねぇ。)





早く帰って寝て
明日ユカリが帰ってくんの待ちてぇなぁ。



…会いてぇ。
















「-----お疲れ様したー。」




夜10時。

今日は珍しく閉店までいた。



まぁこれもユカリがいねぇから
俺がシフト入れたんだけど。





-----早く帰ろ。




そう思って駅まで歩き始めると

それと同時に後ろの方から
ヒールのカツカツした音が聞こえた。



その音からして
履いてる人は走ってるようで

段々と俺に近づいてきて---





-------バシッ!!






「ってぇ!」






そのまま俺は肩を叩かれた。




(チッ…誰だ間違えて俺のこと殴ってきた奴---!)





なんてイライラを抑えながら
くるっと振り返れば




俺は目を見開いた。









「……有紗(アリサ)…?!」

「久しぶりー!圭ちゃん!」