そう思ったら口が止まらんくて





「今まで…俺が相談乗ってたのも
ユカリの恋を応援しとったのも…全部嘘や。」





いらんことばっか口にして

嘘ばっか吐いて




…俺、今お前のことすごい傷つけてるよな。

分かってんねん。



こんなこと言っても何にもならん。




ただお互いが傷つくだけ。

俺がもっと惨めになるだけや。







「でもな、1番の嘘は…

ユカリ…お前が濱崎さんと付き合ったことに対して
おめでとうって、言ったことや。」







そう言えばユカリは目を見開いて

俺を怯えたように見上げていた。





(…ごめん、ごめんな。)





そんな目で見て欲しくて
俺はお前を好きになったんとちゃうのに……







-----しかし

俺の口は止まることなく
ついに、言ってしまった。







「俺は…









ずっとユカリが好きやった。」







静まり返った部屋に

俺の声が小さく響いた。







(…あーあ。)





---言ってしまった。



これを言ってしまったらもう
俺たちの"友情"は

本当の"嘘"に変わってしまうのに---。






(……苦しい…。)





こんなこと言っても

お前がもう誰かのものなのは変わらん。

お前が濱崎さんを好きなのも変わらん。




ただな



俺の本気の気持ちは

無かったことにするしたくないねん。






「……何でや…
何で俺やなくて、濱崎さんなん…?」







最後の悪足掻き


かっこ悪いけど

もうええねん。




きっと言ってしまえば







「私は…濱崎さんが好きなの。

他の人じゃ…ダメなの。」







俺のこの気持ちも

きっと早く消えてくれる。