でも





その落ち着いた気持ちは
ユカリの一言で崩れ去った。










「ハタは…

さっちゃんを好きなんじゃないの?!」












この言葉を聞いた時
思わず目を見開いた。





この言葉のせいで

俺の心は音を立てて刺された感じがした。






(……ははっ…。)







思わず自分を笑ってやりたくなった。


何や俺
少しの勘違いもさせられなかったん?


1ミリも…

気持ち伝わってなかったん?







「…ホンマに、気づかんのか?」






…なぁ







「気づいてないって、何を…。」






…なぁ…!!








「…自分、鈍感すぎるとちゃう?」








…気づいてくれや…

俺がこんなに苦しい思ってるって。





気づいてくれや

お前を好きだって。







「はっ…この状況でも気付かんのか?
とんだ鈍感娘やわ…。」







よく言えたわ

俺が小林を好きなんて





俺がどれだけお前を見てたか

俺がどれだけ悔しい思いしたか

俺がどれだけ…




お前を想ってたか





(何も気付かんくせに…!)





何でそんな
勘違い信じてんねん…!!




俺が見てたのは



お前なのに-----。