「はぁ……」
本を読みつつ、そんなことを考えて小さくため息をついた。
とそこへ、
(バイブ音)
あ、メール…。
制服のポケットからスマートフォンを取り出しメールを確認すると、そこには“お母さん”の文字。
「…お母さん…か」
『お母さん今日お友達とお食事してくるから帰り遅くなるね。
カレー用意してあるからそれ食べてください^^』
「…はぁ…」
メールの内容を見てわたしは二度目のため息をついた。
友達ができないことで悩んでいるわたしにこの追い討ち。
そんなことお母さんは知る由もないとは思うけれど、このタイミングは絶対わざととしか思えなかった。
内心、メールを返すことすら面倒くさく感じながらも、親指をぎこちなくスライドさせていく。
スマートフォンを買ってもらって3ヶ月がたったといえど、メールをほとんどしないわたしはまだ操作になれることができていなかった。
『わかったよ〜。
お母さん楽しんでね!』
と、お母さんのメールに対してなんとも思っていないような文面でメールを返す。

