友達を作るチャンスはなかったわけじゃない。

部活に入ったり、隣の席になった子と喋ったりすれば今頃お昼に寂しい思いをしなくて済んだかもしれない。

でも、入りたい部活なんてなかったし、隣の子もちょっと怖そうな男の子で全く喋れなかった。

さらに席も教室の窓側の一番後ろで、入学式当日も時間ギリギリで席についてしまった。



教室の窓側の一番後ろの席といえば、太陽も気持ちいいし開放感があるし、なにより先生の目が届きにくくて授業を受けるにはとてもいい席。

だけど、そこがまた災いだった。



だって、近くの席といえば前か右隣しかないし、先生の目が届きにくいせいで授業もあまり当たらなくて存在感までなくなってしまう。



それでも、もしかしたら誰かが話しかけてくれるかもしれない…!という期待を持ちながら過ごしてきたのだけれど…。



こんな黒髪二つ結びの地味なメガネっ子が独りで本を読んだりお昼を食べたりしていても、誰も気に留めなんかしてくれるわけがない。



寧ろ、なんだか怖い人だと思われているみたいだ。



何故だかはわからないんだけど…。



おかげでわたしは俗に言うぼっち。

なんて、環境のせいにしてるけど、勇気を出して話しかけなかったわたしが一番の原因だ。