恋と青春と空模様



イノンまではそう遠くはなく、

小さい子を二人連れた速さでも1時少し前にはフードコートに到着してしまった。



さあて、何を食べようか。



さすが大きなショッピングモールのフードコートというだけあって、

ファストフードから麺類からファミレスから和食、カフェなどいろいろなお店があった。




すごいなあ…!


こんなにあったら迷っちゃうな。



いい匂いがそこら中からして、今にもお腹がなりそうだった。


うめみおは何が食べたいかな?



2人に尋ねようとすると、

右からクイクイとカーディガンの裾をひっぱられた。


「あーちゃんあのね、みおね、ぱんけーきたべたいの!

ぱんけーき!」



「パンケーキ?お昼だよ?」



どこでそんなオシャレなワードを覚えたのか、

パンケーキ屋さんを指差しながらそんなことを言ってくるみお。



まあ大方朝お母さんと見てる情報番組からなんだろうけどね。



「ぱんけーきおひるだめなの?」



さっきの期待たっぷりの視線から一変、

悲しそうな表情になる。



「いや、ダメじゃないけど…」


「ねぇそれ、ぱんなの?けーきなの?」



どうやらパンケーキを知らないらしいうめが不思議そうに聞いてきた。


うめは情報番組見てないのかな?


「りょーほう!」


「りょーほう?」


「うん!」


「ぱんとけーきがでてくるの?」


「うーんとね、まるくてふあふあしてるんだよ!

それでね、すっごくおいしそうなの!

うめもきっとすきだよ !」



「まるくてふあふあ…?」


「あー、えっと、ホットケーキみたいなものかな。

上にアイスとか生クリームとかフルーツが乗ってるんだよ」



映像でしか見たことはないけど、

最近テレビでよく話題になっていたからそのくらいなら知っていた。