しばらくして。
「あーちゃんたのしみだねぇ」
みおがニコニコと機嫌良さそうに言う。
「あのね、みおね、おともだちにじまんしたんだー!
ふふふったのしみだなあ」
そんなに楽しみなのか。
こっちまで嬉しくなってしまいそうなほど満面の笑みで話すみお。
言いつけを守ってか、声は小さめだ。
わたしを見たりうめを見たり窓の外を見たりするみおの天然パーマの髪の毛が、
みおの気持ちを表すかのようにふわふわと揺れ動いている。
「みお幸せそうな顔してるね〜。
ニコニコだよ!」
「うん!みおしあわせ!
ね、うめ?」
「…べつに。
ていうかみおがはしゃぎすぎなだけだよ!」
話を振られ、昨日の頼んできた時とは打って変わって興味のなさそうに、少し怒ったような顔をして言ううめ。
「違うの?」
と聞くと、
「ちがうっ」
とそっぽを向く。
すると、みおはニヤニヤしながらうめを指で突っついて
「そんなこといって〜、
うめもきのうたのしみでおふとんはいってもずっとおきてたじゃん!」
「ち、ちょっとうるさいよみお…!」
「やっぱり、うめも楽しみなんだ」
「え、あっうー…。
…みおのばか」
うめははにかんで顔を真っ赤にして俯いてしまった。
さっきは楽しみすぎてニコニコしたいのを堪えようとして怒ったようになっていたみたいだ。

