あれから数日後。





逢坂くんと友達にはなったけど、

わたしの学校での立ち位置は相変わらず地味子。



休み時間は1人で本を読み、

お昼は教室の隅の自分の席で1人で静かに食べる、

と、別に特別何かが変わったわけではなかった。




わたしは逢坂くんのアドバイス通り笑顔で過ごそうと頑張ってはいるけれど、

それがなかなか難しい。



家にいる時は意気込んでいても、

学校に来るとやっぱり緊張してしまい、強張った顔になっている。




それでも怖いとはあまり言われなくなった。

それはあまり変わらない学校生活の中でも、小さくも嬉しい変化の一つだった。



人気者と友達になったから自分も人気者に、

なんて、

そんな小説みたいなことは現実にはない。




しかし、嬉しい変化がもう一つある。


それは、

朝と帰りに会ったら挨拶をするようになったのと、たまにメールのやりとりをするようになったことだ。



逢坂くんが私の友達になってくれた日に、

わたしは逢坂くんとメールアドレスの交換をしたんだ。



どちらもほんの少しの変化だけど、

わたしにはなんだかとても幸せに感じられた。