それはあまりに急で、予想もしていなかった言葉で…。





「…え?」






逢坂くんが…わたしの友達に…?!



わたしはびっくりして反応に戸惑ってしまった。



目を見開いて、

最初は合わせることすらできなかった逢坂くんの顔をジッと見つめた。



それくらい、わたしは彼の発言に衝撃を受けていた。



「まあ友達って公言してなるものじゃないけどな(笑)

…あ、ダメ?」



そう聞かれて首をぶんぶんと横に振って否定する。

そして、また深々とお辞儀をし、



「こっ、こちらこそ、ふつつか者ではございますが、よろしくお願いします…」



「それなんか違う(笑)

けど、よろしくな!」



と、逢坂くんは右手を差し出した。


「うん、よ、よろしく逢坂くん!」


わたしもその右手を握り、握手をした。



「雨止んだけど、せっかくだしそのまま駅まで送ってく」



逢坂くんはニカっと笑った。



裏表のない、



いや、

裏表の有無なんて実際わたしにはわからないけれど、


人の気持ちなんて、

そう簡単にわかるはずもないのだけれど、



それでも、それは屈託のない無邪気な笑顔だった。