と、いうわけで
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学校から瑞駅へ行くため、逢坂くんの傘に入れてもらい、いわゆる相合傘の状態で住宅街を歩いている。
なんだこれ。
クラス一の地味子と学年一の人気者が一緒に下校をしている。
しかも、ああああ、あ、アイアイガサ…!
これじゃまるでかかか、かの、彼女じゃ……。
なんてことを考えて一瞬頭がフリーズしかけたけど、
よく考えたら、いやよく考えなくてもそんなことはあり得なかった。
陽の光と、
影にちんまりといるアリンコ、いや土の中のモグラやミミズかもしれない。
そんな2人がカレカノに見えることなんてまずないだろう。
だいたいアイアイガサは漢字で表すと愛々傘ではない。
相合傘だ。
そう自分に言い聞かせても、緊張感はそう簡単に消えるものじゃなく…。
早くも後悔の波が襲ってくる。
なんでわたしお願いしますなんて言っちゃったんだろう。
我ながらバカなのかもしれないと思った。

