「そんなに驚かなくてもいいじゃん」
カラカラと笑いながら逢坂くんは教室に入ってきた。
そ、そんな変な驚き方したかな…?
確かに変な返事の仕方だったけど…。
「なに、忘れ物?」
「あっあ、あの、はい、数学の教科書を…。
あっ明日、当たるので…」
急に聞かれ、動揺しまくりな口調で答える。
男の子と喋ること…というか、学校で声を出すこと自体久しぶりだ。
声が震える…。
なっ、何か言わないと…。
せっかく話しかけてくれたんだし…!
上ずった、震えた声のまま、逢坂くんに問いかける。
「あ、えと…お、逢坂くんは、部活、ですか?」

