わたしは心配そうな妹たちを安心させるために笑顔で言った。
「心配しなくても大丈夫!」
大丈夫じゃないけども。
でも、
「あーちゃんのうそいつもわかりやすすぎ…」
と、うめ。
ゔ。
本音を言い当てられて思わず笑顔が引きつる。
相変わらず鋭い…。
そして、
「べつにしんぱいなんかしてないもん!あわれんでるんだもん!」
と、みお。
…にしては随分とニコニコしてるけど、この子憐れむの意味わかって言ってるのかな…。
いや、使い方はあっているんだけど。
そんな妹たちに話題をそらすようにして、忘れ物の話を持ち出す。
「あ、あーちゃんちょっと教科書忘れてきちゃったんだー。
だからちょっと学校まで取りに行ってくるから、2人でお留守番しててくれる?」
すると、2人は顔を寄せ合い小声で
「いまおはなしかえっこした」
「うんかえっこしたね」
「かくしてるなにか」
「きっとやましいことがあるんだよ」
「「あーやしー」」
…聞こえてますよー。
カバンをもってもう一度外に出る準備をして、
ちらちらこっちを見ながらこそこそ話している妹たちに、お母さんが作ったカレーをよそってあげる。
「今日お母さん帰るの遅いからカレー食べててって言ってたよ。
ちょっと早いけど出しとくね」
「うん」
「わーい!カレーだ!」
こそこそ話をやめて、2人とも食卓に着いたのを見届けてから、わたしもそそくさと家を出る。
「じゃあお留守番おねがいね〜」
「「はーい」」

