『Lesson2:五感に訴えろ(視覚編)』
「そうですか、それは良かったです。すぐに実践してくれるから、敷島さんには教え甲斐があるなあ」
香りの柔軟剤の成果を報告すると、柏葉さんはにっこり笑って、褒めてくれた。
「じゃあ、次は視覚に訴える小技を教えますね」
チョークボードに書かれた文字を読み上げさせられる。
「五感に訴えろ、視覚編」
「はい敷島さん、具他的に思いつくだけ言ってみて。男をドキリとさせるために、見た目をどうするか」
「えっ、と……可愛い格好をする、女の子らしいスカートを履くとか、胸のラインを強調するとか……化粧を可愛くする、ヒールのある靴を履くとか……ですか?」
「はい、全部正解。自分で思いつく限りのことはしましょう。で、僕から教授する小技は……」
またさらさらっとチョークボードに書き足す。柏葉さんの手は大きくて、指が長い。つい見とれてしまう。
「はい、読んで」
「……揺れるものを身に着ける」
どういうことだろう?

