いつの日か
シフトが21時30分頃までのラストの勤務だった日
お店を閉めた後にレジでお客さんに
これやっぱ要らないって言われた戻しの品を
お酒コーナーに返しに行った。

そしたらね
ちょっと遅かったの
もうビニールカーテンで冷蔵コーナーが
閉まってて…
手に持つお酒がどこにあるか
すぐには分からなかった
そして角を曲がると…

バッタリ、会ったんだ。
彼に。

その時初めて正面で目を合わせた。

両手に缶チューハイを持ちながら

『あっ、えっと、あのっ、』

そう焦る私に彼は

『やりますよ!(ニコッ』

って!

もう浮かれちゃって大変だった。

『えっ!あっ、いいんですか?(汗)』

『はい。(ニコッ』


『ありがとうございます!!』



ー。


…その日私は家に帰る途中も
帰ってからも彼の笑顔が忘れられなかった。
初めて近くで見た等身大の彼にドキッとした。

お風呂に入りながら
彼の笑顔や声を思い出して
顔を赤らめた私。

「やばい…誰かに話したいかも…。」

秘めているのもだんだんこそばゆくなる
そんな感覚を覚えて
誰かに彼を好きって気持ちを話さないと
息が詰まりそうだった。
心拍数が上がり、顔が熱くなって
締め付ける胸。

全てが私は嬉しかった。

こんな気持ちになれることが
嬉しくて涙すら覚えた。