「楓真くんだってでしょ?」
そう言い返すと、ひろかは「アキくんだってじゃん」と口を尖らす。
そういうとこ可愛いなって思うけど
調子に乗るから言ってやんないもん。
そんなこんなしてるうちに、電車のドアが開く。
先に乗るのは楓真くんのほうで、後に乗るのがアキくんだ。
楓真くんは、芸能事務所に入ってるらしく、イケメンと評判で歌もうまい。
そんな彼を女子がほおっておく訳もなく、凄くモテモテな人。
ひろかの好きな人だ。
アキくんは、どこにいても見す背が高くて、ちょっと声は高め。心優しい人なの、まだ話したことはないんだけどね…
「相変わらず楓真くんとアキくん仲いいよねー」
「うん、そうだね」
そう言ってまた、アキくんのほうに自然と目が行く。
そしていつも考える。
『アキくんは、私のことしってるのかな?』ってことを。
知っててくれると嬉しいけどなって‥‥
いつかは目を見て話せる日が来るのかなって‥‥
そんな事考えてたら、すぐに学校の最寄り駅に着いちゃうんだ。
アキくんにかけられた、
うわの空病。

