そして、僕は彼女の下駄箱に手紙を置くことにした。
もちろん、名無しで。
内容には迷ったが、なんとかかけた。やっぱり、僕は文章を書くのは苦手だ。
たしか、優佳里ちゃんは国語が得意そうに見える。古文だろうが文法だろうがいつも1番に手を上げている。
そう思うとだんだんと不安になった。で、でも、大丈夫。差出人は書いてないし。

私は、珍しくそこそこ早く学校に来た。いつも、遅刻する少し前の時間に来るが、8時、いつもより10分はやく来た。
下駄箱の上履きを取ると、封筒が入っていた。空色の綺麗な封筒だ。
宛名は長谷田さんへと書かれてあるが、差出人は不明。怪しいと思ったが制服のスカートのポケットに入れた。
なにか、新しいことが起こる気がするんだよ。
なんだか、新しいことに期待してみたいんだ。