白と黒のコーヒータイム

ここまで来ると恋愛不適合者見たいに思えてきたが。

「国見、そこぶつかるぞ。」

「え?」

そう言って動きを止める様に手を出された瞬間、反射的に国見の足が止まった。

どうやらポールが立っていたようでこのまま歩いていればぶつかるところだったらしい。

これは当たれば地味に痛みを伴う嫌なやつだ。

「あ、ありがとう。」

「いや。」

名村が少し身体を避けたことで国見はポールを通り越して進むことが出来た。

何だろう、この感覚は。

やっぱり名村はいい男だなと感心するこの感覚は何だろうか。

出来すぎてはしないか。

「どうした?」

足が止まった国見を不思議に思った名村が首を傾げる。

「名村って紳士だね。」

「はあ?」

「だって声をかけるじゃない。今も声をかけてくれてから私の動きを止めたでしょ?」

そう、名村はぶつかる少し前に声をかけ寸前のところで手を差し出し国見の動きを止めたのだ。

順序が完璧なこの流れにはもうため息しか出てこない。

「そうか?」

「そうそう。そういう紳士さって女子受けしそうよね。ってか受けてるのか、名村は人気があるから。」

「…人気ねえ。」