白と黒のコーヒータイム

拳を作って意気込む国見にまさかの角度から有り得ない言葉が降ってくる。

意外過ぎて国見を瞬きを重ねたあと僅かに首を傾げた。

思い付くまま感じたままの言葉がそのまま声となってこぼれる。

「…は?何で名村と?」

「国見に触発された。俺も久々に美術館行ってみたい。」

「いや、休み合わないでしょ。それに光希ちゃんに悪い。」

「休みは来週合う日がある。それに光希はそんなこと気にする奴じゃないって。」

何で名村が自分の休みを知っているのか疑問を抱いたが、そういや教えろと言われて素直にシフトを渡したなと思いだし納得する。

それにしても光希の堂々たる構えには感心しきりだ。

いくら国見が自覚しているちんちくりんだとはいえ、自分の彼氏が他所の女と二人で出掛けようとしているのに気にしないなんて余裕がありすぎる。

寛大の根っこは余裕、それこそいい女の必須項目じゃないか。

「光希ちゃん…いい女過ぎる。」

未だに顔を知らないがそこに立っているだけで後光が差しそうなくらいオーラがあるイメージが強くなってきた。

やはりそうでないと最高の男は寄ってこないし逃げていかないのだ。

そしてそれこそが安定した恋愛だと国見は二人の関係を羨ましく思った。

「いいな。私も名村たちみたいな恋愛がしたいよ。」

もう波乱万丈とまではいかないがバタバタする恋愛はこりごりだ。

やはり目指すは安定した恋愛、落ち着いた生活、求めれば求める程に山のてっぺんが高く感じて口元に力を入れた。

恋愛の高みを目指したい。

そこに辿り着きたい。