白と黒のコーヒータイム

「でもさ、高望みしすぎて逆に見つからないかも。何だかんだで名村はいい男だからな~。」

頬に手を当てて眉を下げると国見は自分の理想の高さに呆れてしまった。

名村の事を改めて分析してみると自分の事はさておき相手に求めすぎている気がする。

「…お前やたらと俺を持ち上げるな。」

「近くに居すぎて目が肥えちゃったのかもね。平行して自分磨きもしないと。」

「この前の土産がそんなに効いたのか?」

「すんごい美味しかった~。やっぱり名村は最高だね。」

出張の度に気が向いては土産を買って来てくれる名村に国見はすっかりなついているのだ。

前回のお土産も好みの甘味だったと思い出しながらうんうんと何度か頷いて国見は静かに新たな目標を定めた。

恋愛は一人ではできない。

友人だとしても相手を思いやる心が無いとお土産だってこんなにも印象が違うのだ、恋愛なら尚更相手にばかり求めても自分に釣り合うような魅力がなければ見向きもしてくれないだろう。

ネイルを変えたり腕時計をバージョンアップさせたくらいじゃ駄目だ、外も中も新しいことを取り入れなければ。

そう、それはつまり自分磨きという事。

結婚とはすなわち恋愛の最たる部分にある頂点みたいなものだ、そこに行く為には努力が必要な事くらい目に見えて分かるだろう。

いい女にならないといい男は掴めない。

「今度の休みに美術館でもいってくるか。」

今のままでは駄目だという思いからとりあえず思いついた行動を口にした。

「はは!なんだそれ、突拍子もないな。」

「そう?大人って感じしない?」

「分からなくもないけどな。じゃあ俺と行くか。」