白と黒のコーヒータイム

「真柴ちゃん、私に恋愛のノウハウを教えてよ。」

「ノウハウ?」

首を傾げながらも支度を進める真柴の横で国見は気合を入れる息を吐いた。

さあ、仕事の始まりだ。

そしてロッカーの扉を閉めて国見は頭を切り替えた。



*

「お疲れさま~。」

「お疲れさまでした~。」

互いに労いながらグラスを合わせて音を出す。

国見は真柴と隣り合わせの席で入ったばかりの部屋を見渡した。

とはいえ、ここは個室。

二人だけの個室は広さがない代わりにカウンター席風な造りで新鮮だった。

「なんか向かい合うより緊張しない?」

「ふふ。そうですね、油断して色んなこと喋っちゃいそう。」

「分かる。」

長く時間を楽しむためには酒に飲まれてはいけない。

それ以前に勤務明けで腹ペコだった2人は箸を手にして食事を始めた。

ここは料理が美味しいとも評判なだけにどれも満足できる味だ。

「そういや真柴ちゃんの彼氏っていくつなの?」

「1個下です。」

「あらま、若いな。」

そんなに変わらないでしょうと笑いながら真柴は携帯を触った。