白と黒のコーヒータイム

これは思った以上に楽しい会になりそうだ。

やはり左手首に光る時計は改めて見ると少し幼く感じて買い替えることを決めた。

常に前を向いていきたい、いつまでも終わったことにくよくよしない為にも次へ次へと自分を変えていかなければ。

「国見さんのネイル、品があって綺麗ですね。」

接客業、しかも子供靴売り場という事もあってピンク系しか選びにくいがその中でも拘りたい部分はあるのだ。

ほんの少しのラメ、色の付け方、そこを褒めて貰えたようで嬉しくなる。

何よりこれは前の彼氏と別れたその日に何かに没頭したくて手入れしたものだった。

「ありがと。」

やはり変化は良い、改めて認識して国見は微笑んだ。

その時、カバンの中で携帯が震えたのを感じ国見はロッカーに着くなり画面を開いた。

さっき別れたばかりの名村からのメールに思わず首を傾げる。

「…何だこれ。」

「どうかしたんですか?」

「うーん…ちょっと同期から嫌な誘いが。」

眉間にシワを寄せて唸る国見に目をぱちぱちさせながら真柴も首を傾げた。

「嫌な誘いって合コンとかですか?国見さん、確か彼氏いましたよね。」

「いや~別れたばっかなんだけど…合コンの誘いじゃないみたい。また説教かな。」

「別れたんですか?説教??」

不思議そうに疑問符を打ち出しまくる真柴に思わず国見は画面を見せる。

そこには飾り気のない文章が載せられていた。

「近い内に飯に行くぞ。休みの日も教える様に。」

そのまま口に出した真柴は差出人の名前を見て目を見開く。