白と黒のコーヒータイム

「厳しいか?」

「そりゃ厳しいに決まってるでしょ。」

不貞腐れた様に言い返すと名村の声は返って来ない。

項垂れたままの顔を上げて名村を見れば満足そうに笑う姿があって国見は目を丸くした。

「何で笑ってんの?」

「いや~?」

「…あんた、人の不幸は蜜の味とか言う陰険な奴だっけ。」

「ああ、半分ね。」

信じられない!

怒りのボルテージが急速に上昇して国見は勢いのまま名村の目の前にあるマグロの刺身を3切れ掴み一気に口へ放り込んだ。

「勿体ねえな!」

「知るか!」

お前が悪いと言わんばかりに睨みながら美味しいマグロをこれ見よがしに咀嚼する。

さすがに詰め込み過ぎたと後悔したが流し込めとビールをあおった。

口の中が空っぽになったと同時に少し冷静さも戻ってくる。

目の前にいる越えなければいけない壁を見つめて国見は何だか物悲しくなってきた。

「名村が女の子だったら良かったのに。徹子。」

「だれが徹子だ。」

徹平だから徹子は安易すぎたかと胸の内で舌打ちするがそれもすぐにどうでも良くなる。

そして不意に雑誌の内容を思い出して呟いた。