そんなふうにネガティブになってまともに蒼空と話せないまま、さらに数日が過ぎた。

――そしてついに。



「じゃあ、一回目の学級委員会を始めるぞ」


始まってしまった。

私は密かに前でみんなを仕切る蒼空を見て、ため息をついた。
あんなに楽しみだった今日が、とっても憂鬱。何の為に学級委員に入ったんだって怒られそうだけど。

蒼空は私が喋りかけようが喋りかけなかろうが関係ないといった感じ。まあ、当然だけどね。


話し合いの内容はほぼ体育祭についてだった。流石高校の学級委員会とだけあってか、先生はいなくて割と好き勝手話してる。


「あー、喉乾いたぁ!誰かジュース買ってきて!」


そしてどこからかそんな声が出たのが、始まって数十分の時だった。

丁度皆も真面目な話に飽き飽きしていたのか、次々に賛成の声が出てくる。


「じゃあじゃんけんな!ほら江戸川も入って!」


みんなで輪になって、誰かがそう言うと、蒼空も輪の中に入った。

ていうか、学年の全クラスいるから10人くらいいるけど……じゃんけんで決まるかな?


「じゃんけんぽんっ!」


でもその心配は必要なくて、行く人は一発で決まった。








「大浜さんヨロシクー!」
「はいよ……」


笑い声を背中に、私は会議室をあとにした。