あいつら、何話してんだ?

少し離れた所から、大浜華と篠崎幸太を見る。


「……ふん」


あいつ、俺にさんざん好きだとか惚れさせるだとか言っといて、彼氏いるんじゃないか。しかも目の前でよく抱きつけるよな。

俺は窓に視線を移した。堂々と惚れさせると宣言したバカ女の顔が脳裏に浮かぶ。

――あそこまで真っ直ぐぶつかってくるもんだから、少し期待してたんだけど。

女子なんて外見だけでキャーキャー言うただのうるさい生き物だと思ってたけど、あいつは俺自身を見ていた。あいつもうるさいけど。

ま、結局は本気じゃなかったみたいだし、俺も気にするのはやめるか。


……。


いや、別に気にしてないんだけどね。