彼女が帰った後、俺はぬるくなってしまった茶を一口飲んだ。 「……大丈夫、君はちゃんとできるさ」 あの日、初めて会った時、君はちゃんと口にできていたじゃないか。 あれは、紛れも無い君の言葉だろう? 俺が睨みつけ、刃物を向けても、君は震える声できちんと向き合った。 『い、嫌です。 怪我をしている人を、放っておけませんから』 君は、芯のある人だ。 だから、きっと乗り越えられる……