1日目、まずは掃除から教えてもらった。
見張りの人は、1番組組長、沖田総司さん。
「いやー、びっくりしましたよ、まさかまた貴女に会うことになるなんて」
「これから、お世話になります。
よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
沖田さんは、物腰の柔らかそうな人。
たぶん、現代だったら、イケメンって言われるんだろうな。
でも、そういえば山崎さんが事前に……
『ああ見えて、沖田さんはウチの1番の剣士だからな。
人も沢山斬っているぞ』
って真顔でサラッと言ってたっけ……
お、怒らせると、けっこうヤバイかも……?
気をつけよう。
「それじゃあ、千里さん。
まずは、この部屋からお願いしますね」
「はい!」
「あ、そうそう、ちなみにこの後、屯所の半分の部屋、全部の廊下、厠、庭の掃除もしなくちゃなんで、頑張ってくださいね」
「え……」
ぜ、全部終わるかな……
額から、ツーっと冷や汗が流れた。
そんな私を見て、沖田さんは楽しそうにクツクツ笑っていた。


