俺だって、新選組には大きな恩がある。




行き場のなかった俺を拾ってくれたのは、他でもないこの人達だ。




だから、組織のためだというのなら、俺も……




「山崎」




「はい」




「お前、なんであの娘をそんなに気にかけるんだ」




「え……」




「お前が、ただの娘に興味を持つなんて珍しいと思ってな。

 それともなんだ、あいつには、もっと使える特別な何かがあるのか?」




「……」






『この世界に、私の帰る場所なんてありません』






「彼女も、俺と同じだから、ですかね」