空に舞う桜



「副長、まだ信じてはいただけませんか」




綺麗な顔の人……副長さんは、腕組みをして黙り込んでしまった。




「……足りねえな」




「そんな……」




これ以上、証拠になるようなものなんて持ってないよ……




「ごめんなさい、もうこれ以上は証拠になるものは持っていません……」




すると、副長さんがポツッと呟いた。




「……記憶」




「え?」




「記憶だ。

 お前が俺たちについて知っていることを、すべて話せ」




「でも……」




「未来から来たなら、俺たちがこれからどういう道を辿るか、知っているだろ」







それは、歴史の教科書にも載るくらいだから、知ってはいるけど……




あんまり詳しく知ってるわけじゃないし……




「……佐渡、もしかして未来で俺達の事は、あまり知られていないのか?」




私が考え込んでいると、山崎さんがそう聞いてきた。




顔を見てみると、とても悲しそうで……苦しそうだった。